discography

作曲家

CHOPIN: WALTZES | IKUYO NAKAMICHI

ショパン:ワルツ/仲道郁代

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収録曲目

ショパン: ワルツ集(17曲)
DISC 1
1842年製プレイエルによる演奏
1. ワルツホ長調 WN18
2. ワルツロ短調 WN19
3. ワルツ変ニ長調 WN20
4. ワルツ変イ長調 WN28
5. ワルツホ短調 WN29
6. ワルツ変ホ長調作品18 「華麗なる大円舞曲」
7. ワルツ変ト長調 WN42
8. ワルツ変イ長調 WN47 「告別」
9. ワルツ変イ長調作品34の1 「華麗なる円舞曲」
10. ワルツイ短調作品34の2 「華麗なる円舞曲」
11. ワルツヘ長調作品34の3 「華麗なる円舞曲」
12. ワルツ変イ長調作品42
13. ワルツヘ短調 WN55
14. ワルツ変ニ長調作品64の1 「小犬のワルツ」
15. ワルツ嬰ハ短調作品64の2
16. ワルツ変イ長調作品64の3
17. ワルツ イ短調 WN63

DISC 2
2013年製スタインウェイによる演奏
1. ワルツホ長調 WN18
2. ワルツロ短調 WN19
3. ワルツ変ニ長調 WN20
4. ワルツ変イ長調 WN28
5. ワルツホ短調 WN29
6. ワルツ変ホ長調作品18 「華麗なる大円舞曲」
7. ワルツ変ト長調 WN42
8. ワルツ変イ長調 WN47 「告別」
9. ワルツ変イ長調作品34の1 「華麗なる円舞曲」
10. ワルツイ短調作品34の2 「華麗なる円舞曲」
11. ワルツヘ長調作品34の3 「華麗なる円舞曲」
12. ワルツ変イ長調作品42
13. ワルツヘ短調 WN55
14. ワルツ変ニ長調作品64の1 「小犬のワルツ」
15. ワルツ嬰ハ短調作品64の2
16. ワルツ変イ長調作品64の3
17. ワルツ イ短調 WN63

仲道郁代  ピアノ プレイエル[1842年製/鍵盤80鍵/製造番号9387/ピッチ430Hz/仲道郁代蔵](DISC 1) スタインウェイD-274 [2013年(年号確認中)製/製造番号595450](DISC 2) Ikuyo Nakamichi piano 1842 Pleyel Paris (DISC1) | 2013 Steinway & Sons D-274 Hamburg (DISC 2)

  • 録音 2015年5月26日~29日、サントミューゼ 上田市交流文化芸術センター 小ホール[レコーディング・プロデューサー]フィリップ・トラウゴット[レコーディング・エンジニア]高島靖久[ピアノ調律] 加藤正人[(株)ユーロピアノ](プレイエル=DISC 1) 外山洋司[アインクラング](ハンブルク・スタインウェイ=DISC 2)
  • レーベル RCA Red Seal
  • 品番 SICC19006~7(SA-CDハイブリッド2枚組)
  • 定価 ¥3,704+税
  • 発売日 2016年02月03日
  • 発売元 (株)ソニー・ミュージックレーベルズ

21世紀スタインウェイと19世紀プレイエル
――2つの楽器で時を超えるショパンのワルツ。

■長年のショパンへの取り組みが結実した新録音
現代日本を代表する人気ピアニスト、仲道郁代による2年ぶりの新譜は、ショパンのワルツ集です。ショパンは、仲道にとって、モーツァルト、ベートーヴェン、シューマンと並ぶ自らのレパートリーの中心的作曲家であり、演奏会でその多くを演奏するかたわら、これまでにも2曲の協奏曲(1990年と2010年の2種類)をはじめ、即興曲4曲(1989年)、バラード4曲(1990年)、前奏曲(1991年録音)、夜想曲全集(1989~92年)、ピアノ・ソナタ第3番(1993年)、スケルツォ4曲(1993年)と、ピアニストとしてのキャリアの初期10年のうちに主要曲を集中的に録音しています。最近では、ショパンの生涯と音楽を、演奏、映像とエピソードを交えながら立体的なコンテクストの中で紹介するシリーズ『ショパン鍵盤のミステリー』を企画し、各地で公演し好評を博しています(2016年7月からは、東京Hakujuホールで開催予定)。また2007年にはワルシャワ~パリ~ノアンなど、ショパンが残した足跡を辿るNHK制作のドキュメンタリー『ピアノの詩人 ショパンのミステリー』にも出演し、さらに同番組は2010年のショパン・アニヴァーサリーに際して、『仲道郁代 ショパンのミステリー 特別編』として追加制作・再放映されています。また同じ2010年には、『NHK趣味工房シリーズ 〔あなたもアーティスト〕 仲道郁代のピアノ初心者にも弾けるショパン』に講師として出演、さらにCD付きのMOOK『CDでわかる ショパン鍵盤のミステリー』(ナツメ社)も上梓するなど、ショパンの音楽への探求には大きな情熱を持って取り組んできています。

■生前に出版された8曲を中心とする17曲のワルツ
ショパンのワルツは、ショパンのピアノ作品の中でも最も人気の高い作品。一部の最有名曲を除き、仲道はこれまで積極的には取り組んできませんでした。しかしここ数年ショパンについての研究を深めていく中で、ショパンのワルツの本質は、「華麗な円舞曲」などの題名の陰に隠された、「作曲者自らの魂の告白」であることに思い至り、華やかさよりも陰影の深さに寄り添った解釈で、これまでとは一味違うショパンのワルツ像を描き上げています。当アルバムは、最新の成果を反映させたナショナル・エディションに準拠し、ショパンの生前に作品番号を付されて出版された8曲を中心とする、最も有名な17曲を収録しています。

■2013年製スタインウェイと1842年製プレイエルを聴き比べる究極の醍醐味
しかも今回のアルバムはショパンのワルツ集なのに2枚組!それは、1842年製プレイエル、2013年製スタインウェイという2つの楽器で弾いた、17曲のワルツの演奏を2種類収録しているからです。作曲家が想定した楽器で、作品を弾くことによって、現代の楽器では失われてしまったり、これまでは気付かなかった微妙なニュアンスの移り変わりを感じ取り、作曲者が一つ一つの音符に込めた思いをより明確な形でくみ取ることができる、というピリオド楽器を使った演奏への興味は20世紀半ばから本格化しました。仲道は2007年にヨーロッパ各地のショパンの足跡を訪れた際に1848年製のプレイエルに触れて以来、時代による鍵盤楽器や演奏様式の変遷に大きな興味を抱き、自らもピリオド楽器数種を身近に置いて、作曲者が耳にしていた楽器の響きや感触に直接接することで、個々の作品への理解をこれまでとは異なった角度で深めてきています。モダン・ピアノとピリオド楽器を一つの演奏会で弾き比べるという演奏会も行なっており、当アルバムはそうした仲道の取り組みの一端を形にしたものともいえるでしょう。1842年というショパンが生きた時代の空気の中で製作されたプレイエルの肌理細やかで親密なソノリティ、アコースティック鍵盤楽器の進化の頂点である2013年製スタインウェイ・コンサードグランドの多彩なニュアンスと、仲道はそれぞれの楽器の特性を最大限に生かして絶妙に弾き分けています。

■新ホール・サントミューゼでの初録音
録音は、2014年にオープンしたばかりで、オープン前から仲道がレジデント・アーティスト的な役割を担ってきた長野県上田市のサントミューゼ(上田市交流文化芸術センター)の小ホールにおける4日間のセッションで行なわれました。今回が同ホールでのCD初録音となります。プロデュースは、1998年の「ロマンティック・メロディ」以来、仲道の録音を手掛けてきたフィリップ・トラウゴットで、DSDレコーディングによるSA-CDハイブリッドとして発売いたします。