2021年 秋のシリーズ
幻想曲の模様 〜心のかけらの万華鏡〜
幻想曲の模様 ――心のかけらの万華鏡
——この時私を貫いた感情を、誰がいい表せるだろう!
心の奥深い痛みは和らぎ、愛しい憧憬となって、すべての傷に天の香薬を優しく注いだ。
私はすべてを忘れ、ただ音に耳をひたすら傾けた。
この世ならぬところからふり降って私を包み、慰めを支えるこの音に
E.T.A.ホフマン『クライスレリアーナ』より(訳・前田昭雄)
憧れ、希求する心は、壊れたかけらのようにさまざまな様相を持っている。
それらが、幻想という即興的な想いの膨らみとなったとき、
それぞれの作曲家へふり降(くだ)り、心の傷を包み込んだ音とはどのようなものであったのか。
ただただ、音に耳を傾けてみたいと思う。
仲道郁代
令和3年度文化庁芸術祭「大賞」受賞公演*
曲目
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- ブラームス
- 2 つのラプソディ Op. 79 より第1番
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- シューマン
- クライスレリアーナ Op. 16
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- ショパン
- 幻想曲 Op. 49
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- スクリャービン
- 12のエチュード Op. 8より 第1番、第12番
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- スクリャービン
- 幻想曲 Op. 28
スケジュール
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2021年9月18日(土) 14:00
サントミューゼ 小ホール
問合せ: 上田市交流文化芸術センター 0268-27-2000
問合せ
上田市交流文化芸術センター 0268-27-2000 -
2021年9月20日(月) 14:00
アクトシティ浜松 中ホール
問合せ: 公益財団法人浜松市文化振興財団 文化事業課 053-451-1114
問合せ
公益財団法人浜松市文化振興財団 文化事業課 053-451-1114 -
2021年9月23日(木・祝) 14:00
長岡リリックホール コンサートホール
問合せ: 長岡市芸術文化振興財団 0258-29-7715
問合せ
長岡市芸術文化振興財団 0258-29-7715 -
2021年9月29日(水) 14:00
高崎芸術劇場
問合せ: 高崎芸術劇場チケットセンター 027-321-3900
問合せ
高崎芸術劇場チケットセンター 027-321-3900 -
2021年10月17日(日) 14:00
奈井江町文化ホール
問合せ: 奈井江町教育委員会 0125-65-5311
問合せ
奈井江町教育委員会 0125-65-5311 -
2021年10月23日(土) 14:00
東京文化会館 小ホール
問合せ: ジャパン・アーツぴあ 0570-00-1212
問合せ
ジャパン・アーツぴあ 0570-00-1212
*10月23日(土)に開催された東京文化会館公演は、令和3年度文化庁芸術祭「大賞」を受賞しました。
受賞理由:「仲道郁代ピアノ・リサイタル 幻想曲の模様」では、ブラームス、シューマン、ショパン、スクリャービンの作品が並べら れ、仲道が、それぞれの作曲家の幻想へ深く思いを馳せた、ロマンティックで濃密な演奏を繰り広げた。最後のスクリャー ビンではスケールの大きさやヴィルトゥオジティも披露。大賞に値するきわめて充実したリサイタルであった。
文化庁ホームページ:
https://www.bunka.go.jp/seisaku/geijutsubunka/jutenshien/geijutsusai/r03/index.html
動画
対談 仲道郁代 × 梅津時比古【幻想曲の模様】〜シューマン《クライスレリアーナ》と幻想
掲載記事
- 『音楽の友』2022年1月号
- 演奏会評が掲載されました。
「シューマンでは夢幻の広がりが醸し出され、卓抜なペダリングによって生み出された淡い音の混濁が深い陰影をもたらした。」(道下京子氏)
- 『音楽現代』2022年1月号
- 演奏会評が掲載されました。「仲道の解釈は、取り留めのないファンタジーではなく、一定の形式的な安定感の中に各々の作曲家が描いた物語を描出するスタイル。2曲目のシューマンのクライスレリアーナでも1曲毎の個性の描き分けを明確にしつつ全体の有機的なつながりもしっかり纏めていたのが印象的。」(宗巌氏)
- 『ショパン』2022年1月号
- 演奏会評が掲載されました。
(ベーゼンドルファー280VCで弾かれたスクリャービンについて)「そして音の驚きはスクリャービンで極まる。(中略)ロマンティックな色彩感に雅やかさがプラスされた、まさに“帝政ロシアの香り”だった。」(武田奈菜子氏)
- 『月刊ピアノ』2022年1月号
- 演奏会評が掲載されました。「若いピアニストの青いほどのひたむきさ、燃えるような情熱に胸を打たれることがある。老熟の大巨匠の、果てしなく思われるような崇高さにひれ伏すこともある。そしてその両方は、一人のピアニストを聴きつづける中でも起こり得ることだ。(中略)2027年へ、そしてその先へと続く道を歩むピアニスト仲道郁代の、どの時代も聴き逃すわけにはいかない。」(正鬼奈保氏)
- 『ピアノの本』No.277
- 演奏会評が掲載されました。「ベーゼンドルファー独特の重厚で力強い響きを生かした、一般的なショパン象とはまったく異なる演奏は、彼の心の奥底にある熱い思いを感じさせました。」(堀江昭朗氏)