仲道郁代 The Road to 2027リサイタル・シリーズについて
「仲道郁代 The Road to 2027リサイタル・シリーズ」とは、
仲道郁代がベートーヴェン没後200年と自身の演奏活動40周年が重なる
2027年に向けて企画した、10年間に及ぶコンサートシリーズです。
仲道本人が構想した全20回の
各プログラムから成り、
ベートーヴェンを核とした[春のシリーズ]と
ピアニズムの新境地に挑む[秋のシリーズ]の2本の柱で展開されています。
「The Road to 2027 リサイタル・シリーズ」は、それぞれタイトルの付けられた20のリサイタルから成っています。各タイトルは私にとってとても大切な意味をもっています。なぜならそれは、私が演奏する時に音楽の中に見出す宝のようなものだからです。愛にあふれる神聖な宝です。
この特別なリサイタル・シリーズには「春のシリーズ」と「秋のシリーズ」のふたつの流れがあります。「春のシリーズ」は、ベートーヴェンのピアノ・ソナタを通して音楽を哲学的に探究するもので、彼のピアノ・ソナタを毎回のリサイタルの核に据えています。このシリーズを通して、人生の意味を見つけるための新しい洞察を発見できるものと信じています。「秋のシリーズ」では、豊かな実り多いピアノ音楽の曲たちを配しています。さまざまなテクニックを必要とし、種々の音響を作るこれらの曲たちは、私たちの感覚を非常に細やかに極めてくれます。ピアノの表現の限界へと挑むフルレンジの豊かな響き。そこに身を浸すときにのみ得られる唯一無二の感覚を、お客様とともに味わいたいと思います。
これらふたつの流れは、音楽家としての私を耕してくれるはずです。同時に私の芸術性がここに全て表れることにもなるでしょう。
2027年はベートーヴェンの没後200年と私の演奏活動40周年が重なる年です。2027年へと向かうこのスリリングな旅路をご一緒いただけましたら幸いです。
思索するピアニストNAKAMICHI—— 仲道郁代のベートーヴェン演奏が進化・深化し続けている。それはまさに音楽修辞学の実践だ。バロックの音形論とか情緒論といった厳格な理論ではなく、むしろ詩学でいうトポスの探索だ。どんな小さな音形や主題にも意味があり、特定の情念を喚起させるという仲道の演奏姿勢がもたらすベートーヴェン解釈が説得力をましている。シリーズ各回につけられたテーマそのものがすでに一つのトポスとなっている。
平野昭(音楽学者・評論家)「The Road to 2027」のプログラムを見て驚いた。毎回が考え抜かれた組み立てで、しかも仲道さん自身によってテーマが掲げられている。このテーマの下でこの曲が演奏されるのなら、哲学をやってきた私にも語ってみたいことが山ほどある!何しろベートーヴェンは、音で哲学しちゃった人なのだから。かくして毎年私ども慶應義塾大学文学部に仲道さんをお招きし、その年のテーマに合わせたお話を伺いながら一緒に議論させていただく至福の時をすごすこととなった。真摯にしてたゆまぬ探求心に裏打ちされてますます奥行きと深みを増す仲道さんのベートーヴェンは、毎回新たな発見に充ち満ちている。
斎藤慶典(哲学者・慶應義塾大学名誉教授)「実体のあるものも、ないものも音に変換されてそこにあるかのように立ち昇る……」、と仲道郁代さんはドビュッシーの本質を語っています。その演奏は、言葉通りに、作曲家が音に込めた微細な気配までも見事に映し出していました。音楽へのこの深い感応力が、ショパンやシューマンの魂の哀しみに、シューベルトやブラームスの真摯なひたむきさに、スクリャービンの色彩にみちた神秘に、ラフマニノフの抒情の劇性に、ラヴェルの粋な佇まいの裏に隠された真実に……光を当ててくれることでしょう。
松橋麻利全公演一覧
ベートーヴェンのピアノ・ソナタを核に据えて、ベートーヴェンの以前・以後のピアノ作品とともに各回のテーマに迫ります。
主に大ホールで上演されるシリーズです。
ピアニズムを追求するシリーズ。
主に小ホールでの上演をメインにしており、より限定された空間でピアノ表現の多様さ、細やかさを味わっていただきます。
パッションと理性
モーツァルト
ピアノ・ソナタ K.310
ベートーヴェン
ピアノ・ソナタ第23番「熱情」Op.57
ブラームス
ピアノ・ソナタ第3番 Op.5
ショパン
〜プレイエルの響き〜
ショパン
バラード第1番 Op.23
ショパン
バラード第2番 Op.38
ショパン
バラード第3番 Op.47
ショパン
バラード第4番 Op.52
ショパン
24の前奏曲 Op.28
悲哀の⼒
ベートーヴェン
ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」 Op.13
ブラームス
8つのピアノ⼩品 Op.76
シューベルト
ピアノ・ソナタ第19番 D958
シューマンの夢
シューマン
アレグロ Op.8
シューマン
幻想⼩曲集 Op.12
シューマン
予⾔の⿃ Op.82-7
シューマン
ピアノ・ソナタ第1番 Op.11
⾳楽における⼗字架
ベートーヴェン
ピアノ・ソナタ第22番 Op.54
ベートーヴェン
ピアノ・ソナタ第21番「ワルトシュタイン」 Op.53
ショパン
2つのノクターン Op.48
シューマン
ピアノ・ソナタ第3番 Op.14
ドビュッシーの⾒たもの
ドビュッシー
前奏曲集 第1巻
ドビュッシー
映像 第1集
ドビュッシー
映像 第2集
ドビュッシー
喜びの島
幻想曲の系譜
〜心が求めてやまぬもの〜
モーツァルト
幻想曲 K.475
シューマン
幻想曲 Op.17
ベートーヴェン
ピアノ・ソナタ第28番 Op.101
シューベルト
さすらい⼈幻想曲 D760 Op.15
幻想曲の模様
〜心のかけらの万華鏡〜
ブラームス
2 つのラプソディ Op. 79 より第1番
シューマン
クライスレリアーナ Op. 16
ショパン
幻想曲 Op. 49
スクリャービン
12のエチュード Op. 8より 第1番、第12番
スクリャービン
幻想曲 Op. 28
知の泉
ベートーヴェン
ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」Op.31-2
ショパン
バラード第1番 Op.23
リスト
ダンテを読んで S.161-7
ムソルグスキー
組曲「展覧会の絵」
前奏曲
〜永遠への兆し〜
ドビュッシー
前奏曲集 第2巻
ラフマニノフ
前奏曲集 Op.23より第2番、第5番、第7番
ラフマニノフ
前奏曲集 Op.32より第2番、第5番、第8番、第10番、第11番、第12番
ラフマニノフ
前奏曲「鐘」Op.3-2
劇場の世界
ベートーヴェン
ピアノ・ソナタ第19番 Op.49-1
ベートーヴェン
ピアノ・ソナタ第20番 Op.49-2
ベートーヴェン
ピアノ・ソナタ第18番 Op.31-3
シューマン
パピヨン Op.2
シューマン
謝⾁祭 Op.9
ブラームスの想念
ブラームス
7つの幻想曲 Op.116
ブラームス
3つの間奏曲 Op.117
ブラームス
6つの⼩品 Op.118
ブラームス
4つの⼩品 Op.119
夢は何処へ
ベートーヴェン
ピアノ・ソナタ第27番 Op.90
ベートーヴェン
ピアノ・ソナタ第13番 Op.27-1
ベートーヴェン
ピアノ・ソナタ第14番「⽉光」Op.27-2
シューベルト
ピアノ・ソナタ第18番「幻想」D894 Op.78
シューベルトの⼼の花
シューベルト
4つの即興曲 D899 Op.90
シューベルト
4つの即興曲 D935 Op.142
⾼雅な踊り
ベートーヴェン
ピアノ・ソナタ第24番「テレーゼ」 Op.78
ベートーヴェン
ピアノ・ソナタ第25番 Op.79
ベートーヴェン
ピアノ・ソナタ第26番「告別」 Op.81a
リスト
メフィスト・ワルツ第1番 「村の居酒屋での踊り」S.514
ラヴェル
優雅で感傷的なワルツ
ショパン
ワルツ「告別」Op.69-1
ショパン
ワルツ Op.64-2
ショパン
ポロネーズ第6番「英雄」 Op.53
ラヴェルの狂気
ラヴェル
鏡
ラヴェル
⽔の戯れ
ラヴェル
夜のガスパール
⾳楽の哲学
ベートーヴェン
ピアノ・ソナタ第30番 Op.109
ベートーヴェン
ピアノ・ソナタ第31番 Op.110
シェーンベルク
6つの⼩さなピアノ曲 Op.19
ベートーヴェン
ピアノ・ソナタ第32番 Op.111
組曲
〜調和と心慮〜
グリーグ
組曲「ホルベアの時代より」Op.40
バッハ
パルティータ第2番 BWV826
バッハ
イタリア協奏曲 BWV971
バッハ
パルティータ第1番 BWV825
ラヴェル
クープランの墓